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研究報告「比較優位と競争優位の概念整理と競争優位の操作可能概念化への提案」
日時・場所 2016年10月19日 東京大学・ものづくり経営研究センター
進化経済学会/企業・産業の進化研究会
講演要旨
比較優位は、J.S.ミルなどにより定式化されて以来、経済学の中心概念のひとつとして存在してきた。1990年、マイケル・ポータが「国の競争優位」という概念を提案した。これは経営学方面では広い支持を集めたが、経済学方面からはポール・クルーグマンを代表として、そのような概念は成立しない・無効であるとの異議申し立てが続いている。本報告では、近年開発された国際価値論の立場から、比較優位・競争優位の2概念を整理し、競争優位を操作可能(計量化可能)な概念として再定義したい。
以下は、過去のものです。2016.2.20
基調講演「経済学の再建と経済教育の未来」
日時・場所 2016年9月10日 流通科学大
経済教育学会代32回大会全国大会
講演要旨
講演プリゼン資料
「ジェイコブズ生誕100年記念シンポジウム」
日時・場所 2016年7月16日 早稲田大学
総合司会: 鈴木俊治(明治大学、早稲田大学講師)
第1部 (午後1時30分〜3時)
基調講演1:「次は経済学の番だ――ジェイコブズの問題提起から」
塩沢由典(大阪市立大学名誉教授、元中央大学教授)
基調講演2:「起業家風土の形成と都市の再生――ジェイコブズの原点」
清成忠男(法政大学元総長、事業構想大学大学院顧問)
第2部 (午後3時20分〜4時20分)
報告1:「都市と中小企業」
細谷祐二(経済産業省 地域政策研究官)
報告2:「イノベーション、新産業創出、産業クラスター――ジェイコブズから学ぶこと」
吉川智教(早稲田大学大学院ビジネススクール教授)
報告3:「都市空間を巡る価値基準と経済論理――J・ジェイコブズ vs E・グレイザー」
宮ア洋司(プラス社会計画センター所長)
第3部 (午後4時30分〜6時20分)
パネル・ディスカッション:塩沢、清成、細谷、宮ア、吉川、鈴木、(司会)吉川
会場の参加者と質疑応答、ディスカッション
ちくま大学「ジェイン・ジェイコブズの思想と行動」
第1回全体の予告
第2回講義「経済思想家としてのジェイコブズ」
第5回講義「ジェイコブズ以後の経済学」
Title:Recent Development of International Trade Theory and Some of its Consequences
Date: 19 May 2016
Place: The Vienna Institute for Interantional Economic Studies
Presentation data: http://wiiw.ac.at/recent-development-of-international-trade-theory-and-some-of-its-consequences-dlp-3893.pdf
Title: Some New Topics in International Trade Theory
Date: Thursday, May 12, 2016
Place: University of Bonn, Germany.
Presentation data: http://people.math.gatech.edu/~jyu67/HCM/Shiozawa.pdf
政治経済学ワークショップ
日時 2016年3月23日(水)15時より
場所 東京大学大学院経済学研究科 学術交流棟 (小島ホール)1階 第1セミナー室
報告 Gilbert Faccarello(Universite Pantheon-Assas, ParisU)
論題 “On Ricardo's theory of international trade”
参考文献 “A Calm Investigation into Mr Ricardo’s Principles of International trade” The European Journal of the History of Economic Thought, 22(5),October 2015.
討論者 塩沢由典 Yoshinori Shiozawa(Professor Emeritus, Osaka City University)
吉井哲 Satoshi Yoshii (Nagoya University of Commerce and Business)
司会 野原慎司 Shinji Nohara(University of Tokyo)
第2回 進化経済学会「制度と統治」部会
(京都大学経済学研究科「制度的経済動学プロジェクト」との共催)
日時:2016年2月13日(土)13時から
場所:阪南大学あべのハルカスキャンパス(JR天王寺駅・近鉄阿倍野橋駅下車すぐ、あべのハルカスビル23階)
http://www.hannan-u.ac.jp/harukasu/
報告タイトル:「進化経済学の全体像と制度経済学の反省」
報告者:塩沢由典氏(大阪市立大学名誉教授)
報告要旨
進化経済学は、経済学の一特殊領域ではなく、新古典派経済学に代替する全体的な経済学を目指している。この目標はまだ達成されたとはいえないが、現在時点でどのような全体像を描くことができるか、私論を提起したい。また、その中でコモンズや比較制度分析など制度の経済学についても、なにを補完すべきかいくらかの批評を試みたい。
わたしの考える全体像は、簡単に書けば
進化経済学
/ \
古典派価値論 ____ 複雑系経済学
と表せるが、個々内容や相互関係については、報告の中で議論したい。
タイムスケジュール
報告者:塩沢由典氏 (大阪市立大学名誉教授) 13時〜14時30分
第一コメント:宇仁宏幸氏 (京都大学) 14時45分〜15時15分
第二コメント:中原隆幸 (阪南大学・部会事務局) 15時15分〜15時45分
リプライ:塩沢由典氏 15時45分〜16時00分
ディスカッション:16時15分〜17時30分
☆18時より別会場にて懇親会
企業・産業の進化研究会
企業・産業の進化研究会のご案内(2016年1月20日18:30〜21:00)
タイトル:「都市伝説としての比較生産費説と絶対生産費説」
発表者:塩沢由典(大坂市立大学名誉教授)
要旨:
比較生産費説と絶対生産費説とは、高校教科書にまで出てくる「理論」であるが、これは学説史的にも、経済理論としても誤解の多いものであり、通説には大幅な書き換えが必要である。
本報告では、吉井哲・藤本隆宏・塩沢由典の共同論文「ある都市伝説/スミスの絶対生産費説」(仮題)の第4節を中心に、現代の貿易理論として比較生産費・絶対生産費をどう考えなおすべきかについて解説し、グローバル経済時代における比較優位についてどう考えるべきかを討論したい。
進化経済学会北海道・東北部会
日時:2015年3月23日(月)午後16時から
場所:北海道大学経済学研究棟3F 大会議室
開会の挨拶(16:00〜14:05)
報告&ディスカッション(16:00〜17:55)
報告者 塩沢 由典(前中央大学教授、大阪市立大学名誉教授)
論題 国際価値論の意義と射程
要旨
経済学の価値論は、古典派価値論と新古典派価値論に大別される。限界革命以降、価値論の主流は新古典派価値論(需給均衡論)となったが、現在の主流派経済学を根底から批判するには、古典派価値論の復権が求められる。古典派価値論には、二つの弱点があったが、それらは近年克服された。報告は、その意義と再建された古典派価値論に基づく理論展開を展望する。
報告資料
コメンテーター 久保田 肇(北海道大学経済学研究科教授)
閉会の挨拶,その他連絡事項(17:55〜18:00)
司会:西部忠(北海道大学経済学研究科教授)
Tohoku Forum for Creativity Pre-Program 2014
Theoretical and Empirical Studies of the Effects of Technological Changes on Social Mobility and Income Distribution: Focusing on Inequalities of Social Mobility and Income in East Asia Annual Wrap-up Seminar
March 4. Wednesday 2015
16:50 Yoshinori Shiozawa (Independent Researcher)
The economics of the great unbundling
Presentation Data
独占研究会
日時:1月31日(土曜日)午後2時
日 時 2015年1月31日(土)午後2時
場 所 明治大学研究棟
テーマ 「原理論の中核部分としての国際価値論」
報告者 塩沢 由典(前中央大学教授・大阪市立大学名誉教授)
参考文献 塩沢由典『リカード貿易問題の最終解決』
報告要旨 報告用PPT
企業・産業の進化研究会
進化経済学会と東京大学ものづくり経営研究センターの共催で開催されている研究会です。
日時:12月16日(水曜) 18:30〜21:00
場所:東京大学ものづくり経営研究センター
東京大学経済学研究科 学術交流棟(小島ホール5階)
http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/access/index.html
注意 赤門から学術交流棟までのルートは工事中のため、東大構内へは「懐徳門」よりお入りください。
第一報告
塩沢由典(中央大学商学部教授)
タイトル
「産業の国際競争力とリカード・スラツファ貿易論」
要旨
国際貿易理論としては、ヘクシャー・オリーン理論(HO理論)とリカード理論の二つがある。後者は、投入として労働のみを許容する理論であったが、最近のリカード・スラツファ型貿易理論では原材料・中間財・資本財などを扱えるように進化している。本報告では、 リカード・スラツファ理論の立場から、国際競争についてなにが言え、なにが今後の課題としてと残されているかについて取り上げたい。
事前にお読みいただける場合は、以下の論文を参考にしてください。
http://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/kubc/papers/07.pdf
第二報告
鈴木信貴(東京大学ものづくり経営研究センター特任助教)
タイトル
「インテグラル化と競争優位のメカニズム ―日本工作機械産業の事例―」
要旨
モジュール化が進展する産業においては、どのようにすれば、競争力を持ったインテグラル型の製品を研究・開発し続け、モジュールメーカーとの競争に対抗することができるのだろうか。発表では、日本の工作機械産業を事例として、モジュール化が進展する中、インテグラル型製品の研究・開発をし続けた企業に焦点を当て、アークテクチャ進化を可能とした研究開発マネジメントのメカニズムについて考察する。
連絡先:
鈴木信貴(Nobutaka Suzuki)
東京大学ものづくり経営研究センター 特任助教
http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/index.html
進化経済学会・2012年オータム・コンフェランス基調講演
主催 進化経済学会
日時 2012年9月15日水曜日
会場 中央大学(多摩校舎)
報告者 塩沢由典
報告題目
経済学を棚卸しする
講演資料
クルーグマンの批判:論点整理
★クルーグマンの異端派・非主流派批判
(1)オーストリア学派(および進化経済学)は、ただ批判していだけではないか。
主流は、@利己的個人がA効用を最大化しようとするとき生ずる相互作用をB均衡という状態で捉えようとするが、それが現実的であると思っているわけではない。それからはいくらか離れているが、その仮定をおくとき分析できることをまず知ろうとしているのだ。これに対し、@ABが非現実的などと批判している人たちは、ぶつぶつ言うだけの怠け者で、じっさいには経済学を割きにすすめることにすこしも貢献していない。<>
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(2)高度な理論と扱いやすい理論/「主として開発経済学の衰亡と興隆」より
初期開発経済学は、たしかに経済発展のすべてを見ていた。しかし、それはほとんども出るかできるものにならなかった。唯一の例外はルイスのモデルだが、二重構造という以外に新古典派と代わるものではない。初期開発経済学が衰退したあと、「新古典派的転回」があってはじめて開発経済学は、もういちど生命力のある経済学として復活できた。
(3)進化はいかに分析できるか
進化経済学者は、進化をどのていど理解しているか。進化経済学者の論文には、グルードなど小数の書き手の本しか登場しないが、グールドは進化生物学では主流でくなく、小数派に過ぎない。進化生物学の主流は、M.スミスの進化論的に安定な戦略や包括適応度などの概念を用い、現在の先端の研究は新古典派経済学とよくにていることを知るべきだ。進化経済学者は、進化が数学化できないことをきたいしているかも知れないが、実態はかなりちがう。
(4)クルーグマン自身の貢献
@ABばかりでなく、不完全競争・収穫逓増を取り入れてきた。
主流の研究者達は、既存理論の制約を新しい分析方法の開拓によって打破しようとしており、そのことが行なわれているかぎり、主流はじつはかなり寛容で懐が深い。反主流の研究者は、なにも積極的・具体的な貢献をせずに批判ばかりしている。
We use our models as metaphors.
(Krugman, 1995, p.79-80 Cited in Martin, 1999,p.82、別の論文でも?)
(5)クルーグマンによる他の異端派・非主流派批判
(1)初期開発経済学
「高度な理論の時代」はすぐに終わった。
(2)旧経済地理学
(3)レギュラシオンに対して
ポスト・フォーディズムは、ジャック・デリダ流の脱構築主義だ。
★クルーグマンの批判をどう受け止めるべきか
クルーグマンの批判は、
(1)日本の進化経済学に、どのていど当っているか。
(2)進化経済学における分析(とくに数学的分析)、シミュレーションなどの開発実績と開発努力はいかなるものか
★クルーグマンの主張に対する可能な批判例
(1)@利己的個人A効用を最大化B均衡という枠組みに載らない重要な経済的事項・現象・過程が無視されてしまい、政策などを大きくゆがめている。あるいは、まぢかった問題関心を作りだしてしまったている。
具体例:
(2)クルーグマン自身の貢献(収穫逓増、国際貿易、地域経済)は、たとえば経済地理ではどう評価されているか
Cf. Martin(1999) 後出要約を参照。
(3)経済学の最終の狙いはなにか
科学研究の一部として「知識のための知識」という側面が経済学にあることは認めなければならないが、それが誤った政策や知識を生み出すのでは、社会の支持を得られないであろう。
★Martin(1999)の批判的サーベイ:
(1)Martin(1999)は以下の3点を批判している。
@既視感がある(1960年代・70年代?の試み)、解析手法がすこし現代的になっただけで、経済地理学者の期待感はあまりない。
A現実の空間からはほど遠い。抽象的空間?
B現実の動きを説明するものとなっていない。
(2)これに対し、経済地理学(プロパー)が評価できる成果、経済地理学(プロパー)にインパクトのあった成果として
@サープル&ピオーリ 第二の産業分水嶺 flexible specialization
Aネオ・マーシャリアンの「第三のイタリア」研究
Bフランス「レギュラシオン理論」
大きな図柄big picture/ social regulation and instituitional form
C技術的学習(LundvallのNISおよびRIS)
を上げている。
(3)経済地理が空間パタン論から離れたのは、Krugmanのいうように、それを解くことが難しかったからではない。もっと大きな科学哲学的背景によっている。
1970年代末に、経済地理学には論理実証主義哲学からの離脱が起こった。
論理実証主義的説明を捨て、レアリスト・アプローチへと転換した。
ここでは、Lawson(1997)も引用されている。
(4)実りある交流の可能性
交流・対話:
New Geographic economists とeconomic geographersの間では、だふん不可能。
しかし、進化・制度・社会・ポストケインジアン・カルドア経済学とは、可能であろう。
とくに収穫逓増や学習が地域で起こるとするなら、経済学たちは地理学の知見をまなぶものがあるだろう。逆も真である。
中央大学経済研究所公開研究会
主催 ポスト・ケインジアン経済学研究会(幹事 袴田兆彦)
日時 2009年12月9日水曜日 3:30〜5:30
会場 中央大学(多摩校舎) 2号館4階研究所会議室2
報告者 塩沢由典
報告題目
経済学再建への課題
趣 旨
リーマンショック以降、経済学の現状を考え直そうという機運が生じてきました。ケインズに戻ろうというのもそのひとつでしょう。ケインズに戻れば十分とは思いませんが、1970年代以降のNew KeyensianとNew Classicalの経済学をいまいちど反省し、さらには20世紀の経済学を見直すことから、経済学を新たに再建する構想をたがいに語るべきときがきたと感じています。研究会では、経済学の現状に対するわたしの考えとともに、 現状打破に向けたどのような展望があると考えているかを報告します。それをきっかけに、参加者の皆さんのあいだで熾烈な討論が展開されることを期待しています。
参考文献: 「経済学の現状打破に数学はどう関係するか」『季刊経済理論』第46巻号第3号(2009年10月)
なお、上記論文は、 WEB上で読んでもらえるようにしたいと思っています。許可が出るまで、お待ちください。
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