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日本経済事情 第4回

2004.5.1  .

国と地方の税財政改革

塩沢由典  .


(1)政府間移転の現状
○移転の規模
歳出純計 国対地方4対6
租税総額 国対地方6対4
移転額 2割

○実額(2003年度見込み)
国の歳出 81.9兆円
地方の歳出84.7兆円

○財政移転
交付税の規模 約20兆円
国庫支出金(補助金ほか) 約16兆円
地方一般歳出の7割は、国の施策の比重の大きい公共投資、社会保障、教育の3分野。

(2)三位一体改革
・国庫補助負担金 2006年度までに4兆円を目処に削減・縮小
・地方の実施する必要のあるものは税源を移譲する。移譲は基幹税の充実による。
・地方交付税については、その財源保障機能全般を見直し、交付税額を抑制する。交付税への依存体質から脱却させ、不交付団体の人口割合を大幅に高める。
(2003年6月18日経済財政諮問会議における内閣総理大臣指示)

(3)補助金はなぜ問題か
・自分の頭で考えない。
・全国一律でしか政策が進まない。
・補助金をもらうと、補助裏のため、地方の自主予算がほとんど使われてしまう。

(4)交付税はなぜ問題か
・地方交付税の不交付団体は、都道府県では東京都だけ。
市町村で104、特別区が23、全国3300弱の自治体中127団体のみ。
・交付金頼みでは、真に地方の活性化はできない。
・「税金の取れる地域にする」という視点に欠ける。

(5)税源をどこに求めるか
・消費税  国と地方の取り分 4対6に(神野試案)
・所得税  累進性のある場合、人口移動の影響も
・外形課税




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