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提言
新しい学問研究を目指して

生活起点 通巻第34号(2001年3月15日) 2ページ




 2月12日、200人を超える参加者の熱気のなかで関西ベンチャー学会が設立された。弱気の理事は準備段階で「会員は100人ぐらい」と読んでいたが、学会が上がり調子で設立されたのは幸運だった。2月末までに会員数は266名に増えている。経済の活性化にむけて、ベンチャー叢生とそれを側面から支援するベンチャー学会への期待がいかに高いかを示すものであろう。>/p>

 日本はしっかりした構造改革を進めることができず、10年を失った後にもまた景気後退に直面している。経済の根幹を立て直すことなくして、経済の復活はありえない。日米のネットバブルは弾けたが、新事業・新産業なくして、日本経済の活性化はありえない。そして、それはベンチャー起業家たちによって担われなければならない。そのことに多くの人が気付きはじめている。

 関西ベンチャー学会は、1997年末創立の日本ベンチャー学会に続く第2のベンチャー学会であり、地域単位として設立される最初のベンチャー学会である。なぜ、このような地域学会を作ったのであろうか。

 ベンチャー学会は、二つの目標をもっている。一つは、ベンチャーやその政策を研究すること。もうひとつの柱は、ベンチャーを群生させる条件を作りだすことである。ベンチャー学会は、この意味で運動体でもある。このような活動が東京を中心としてのみあるのでは、関西の地盤沈下の要因にわれわれがなってしまう。関西ベンチャー学会創設の考えはこうした学者たちの危機感から生まれた。

 学問の立場から経済振興というと、ふつう政策提言か産学協同が連想される。それも重要だが、学問がもっと直接社会に働きかけることがあってもいいだろう。ベンチャーが群生する社会を作るには、法律や政策を変えるだけでは不十分だ。社会の気風や精神を変えなければならない。正しい知識の普及を通して、社会に新しい機運を作りだし、ベンチャーの担い手を育てる。これは経済団体では担えない学界独自の役割であろう。  こうした運動のなかでベンチャー叢生の条件をより深く理解することができる。われわれはそれを新しい学問研究の方法としたい。日本の社会科学は、もはや輸入学問ではすまされない。ベンチャー学会は、学問研究の新しいスタイル創出を目指した冒険事業(ベンチャー)でもある。

 くわしくは、関西ベンチャー学会のホームぺージ http://www.kansai-venture.org/ をご覧ください。


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