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進化経済学概説 目次




3年以上掛けて
『進化経済学ハンドブツク』を編集・出版しました。その概説をわたしが執筆しました。4ページから134ページまで、進化経済学の全体系がいかにあるべきかを考えて書きました。

普通の進化経済学の教科書と違い、進化とはなにかの本質論、なぜ進化は普遍的なのかという存在論はもとより、進化経済学が経済学全体であるために必要と思われる市場経済の諸原理や分析の枠組み、現代経済の分析例について、また進化経済学は、なぜ新古典派経済学に代替する経済学でなければならないか示すために、第7節では新古典派経済学の7つのドクマと1つの信仰を指摘したあと、最終節では進化経済学の可能性についてもわたしの期待を書いています。

わたしの現在の到達点としてお読みくだされば幸いです。(2008.2.25)



1. 経済における進化

1.1 生物の増殖と進化
1.2 商品の進化
1.3 進化概念の拡張
1.4 経済において進化はなぜ普遍的か
1.5 進化経済学の概念

2. 進化するものの諸カテゴリー

2.1 商品
2.2 技術
2.3 行動
2.4 制度
2.5 組織
2.6 システム
2.7 知識

3. 進化の総過程

3.1 変異の機構
3.2 選択の場
3.3 競争と進化
3.4 ミクロ・マクロ・ループ
3.5 進化に開かれた経済
3.6 経済発展
3.7 経済史

4. 市場経済の諸原理

4.1 基礎とすべき枠組み
4.2 相対取引
4.3 交換の原理
4.4 裁定と交換比率
4.5 貨幣と価格
4.6 売りと買いの非対称性
4.7 収穫逓増
4.8 切り離し機構
4.9 決定の向きと流れ
4.10 重層的決定

5. 分析の枠組み

5.1 過程分析
5.2 進化ゲームと個体群動学
5.3 コンピュータ・シミュレーション
5.4 統計的分析
5.5 歴史研究と実証研究
5.6 経済学の歴史

6. 現代的経済の分析例

6.1 企業の生産量決定
6.2 収穫逓増下の企業規模
6.3 経済全体における生産量決定
6.4 価格・数量の決定態様
6.5 価格設定と上乗せ率
6.6 販売量と利潤
6.7 販売努力とベンチマーク
6.8 金融市場のシミュレーション
6.9 薄い板の市場
6.10 テクニカル分析と行動の進化
6.11 国際貿易と所得水準
6.12 経済の累積的発展

7. 新古典派経済学のドグマとアノマリー

7.1 均衡のドグマ
7.2 価格を変数とする関数のドグマ
7.3 売りたいだけ売れるというドグマ
7.4 最適化行動のドグマ
7.5 収穫逓減のドグマ
7.6 卵から構成のドグマ
7.7 数学への盲目の信仰
7.8 方法論的個人主義のドグマ

8. 進化経済学の可能性

8.1 パラダイムの転換問題
8.2 転換は可能か
8.3 進化経済学の未来



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