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2019年の仕事

塩沢由典

著書

Y. Shiozawa, M. Morioka, and K. Taniguchi 2019 Microfoundations of Evolutionary Economics. Sprigner Japan, Tokyo.

Book review
Marc Lavoie Review of Evolutionary Political Economy (2020).

論文

塩沢由典 2019 経済学革新にとって学説史はいかなる意義をもつか.長尾・梅澤・平野・松嶋(編)『現代経済学史の射程/パラダイムとウェルビーイング』ミネルヴァ書房、第2章、2019年3月、pp.53-72.

Shiozawa, Y. 2019 Microfoundations of evolutionray economics. Chap.1, pp.1-52, in Shiozawa, Morioka, and Taniguchi (2019).

Shiozawa, Y. 2019 A large economic system with minimally rational agents. Chap.2, pp.53-138 in Shiozawa, Morioka, and Taniguchi (2019).

塩沢由典 2019 「現代古典派価値論の中核と外部」「宇野理論を現代にどう活かすか」Newletter 第2期第26号(通巻387号)、2019年6月17日。 塩沢由典 2019 生産性、技術変化、実質賃金.『季刊経済理論』56(3): 7-17.

塩沢由典 2019 異端派貿易論の最前線. 岡本哲史・小池洋一(編)『経済学のパラレルワールド/入門 異端派総合アプローチ』新評論、2019年11月、第6章、pp.219-247.

学会・研究会報告

国際価値論研究会・第19回
2019年1月14日(月祝日)同志社大学・至誠館5階
塩沢由典13:30〜14:30
「グローバル・バリュー・チェーンの形成原理」
報告要旨
国際価値論が想定するのは、各企業が世界最適調達をしている状態である。技術集合が一般の位置にあり、輸送費・取引費用0のとき、共通材[連結財](2国で共通に生産される財)の個数は、国の数−1以下である。たとえば、世界に100カ国あり、財の数が100万個であるとき、最大99の財を除き、各財すべて1カ国でのみ生産されていることになる。もしある財Cの生産に1000個の部品・原材料が用いられるとすると、Cを生産する企業はほとんどすべての国から、10個平均の財を輸入することになる。輸入先の企業もどうように世界各国から輸入して部品を生産している。このような連鎖は、追いかければ無限に続く。もちろん、現実には、輸送費・取引費用は0でなく、生産技術の集合もEmulationの結果、一般の位置にいるとはかぎらない。それでも、輸送費・(関税・貿易規制・通信費を含む)取引費用が大きく低下するとき、上にみたごとき複雑な生産・貿易ネットワークが形成される。各企業は、このような事態に適応すべく、経営戦略や連携様式を大きく変えざるをえない。社会学者たち(Gereffiなど)が見ているのは、このような戦略的適応の諸形態である。

独占研究会第540回
2019年4月27日 明治大学
報告論題:技術進化とその効果/価格理論は資本主義の動態分析にどう関係するか
報告者:塩沢由典
報告要旨:本報告は、現代古典派価値論は静学理論であるという見解に具体的に反論する。現代古典派価値論は技術選択を通して中長期の動態を分析する基礎理論であることを示す。

第45回・制度的経済動学セミナー
2019年5月10日 京都大学大学院経済学研究科・法経済学部東館1階・101演習室
報告者: 塩沢由典(大阪市立大学名誉教授)
報告論題: 技術進化の経済動学とその分析基礎
Economic Dynamics of Technological Evolution and its Analytical Foundations
報告要旨:
経済発展の基礎に技術進歩があることは広く認められている。本報告では、経済発展を技術進歩と価格の共進化として捉え、技術の捉え方、経済発展、景気循環分析の基礎理論としての価格理論と数量調節理論について解説する。

進化経済学会・企業産業の進化研究会
2019年5月22日 東京大学・ものつくり経営研究センター
報告タイトル 経営学の基礎知識としての国際価値論
報告者 塩沢由典
報告要旨
国際貿易論は、経済学の創始の時代からの理論ですが、比較生産費説を厳密に使うには、いろいろ困難が多く、国際貿易状況における経済学・経営学の展開に大きな支障となってきました。しかし、今回のFujimoto & Ikuine 編第2章 Shiozawa & Fujimoto により、グローバル競争時代の経営学にとっても使いやすい国際価値論が提示できたと考えています。
国際価値論研究会第21回
2019年7月6日 専修大学神田校舎1号館2階
報告論題  新国際価値論による分析可能性
報告者   塩沢由典(大阪市立大学名誉教授)
報告要旨
第20回佐藤秀夫報告を承けて国際貿易状況下にケインズ的失業を分析する枠組みを提示する。全体の出発点は、ある全域木を競争的とする認容な国際価値(これを正則な国際価値と定義する)が一般には一義的に定義されることにある。この点は、これまでなんどか部分的に紹介してきたが、予備知識なしに理解できるよう、今回はその基礎から再説する。
ケインズ学会関東部会(第7回)
2019年7月13日 立教大学12号館2階
報告者:塩沢由典
報告論題:ポスト・ケインズ経済学のミクロ的基礎付けとその展開
プリゼン資料

International Conference on Economic Theory and Policy
September 15-17, 2019, Meiji University, Tokyo, Japan
Plenary Session September 15, 13:40-14:00.
New Foundations for Post Keynesian and Evolutionary Economics
Yoshinori Shiozawa (Emeritus Professor, Osaka City University, Japan)

国際価値論研究会第22回
2019年11月9日 同志社大学・至誠館5階
国内経済と国際経済---真の違いはなにか
報告者 塩沢由典

リスク・リジリエンス研究会
2019年12月2日 金沢大学
報告者: 塩沢由典
報告論題:グローバル化の中の地域経済/ジェイン・ジェイコブズと国際価値論
概要
進行するグローバリゼーションの中で、国民経済や地域経済は、多数の中の一構成体でしかない。こうした中で、地域創造とはいかなる努力でありえるのか、1990年以降の日本経済とジェイン・ジェイコブズをヒントとして、地域が自立的発展を遂げるための必要条件について考えたい。

リカードウ研究会(第40回)
2019年12月21日(土)14:00〜18:30、立教大学7号館2階7203室>
第2報告 報告者:塩沢由典(大阪市立大学・名)
報告論題:「リカードとリカード後の経済学」
報告要旨
19世紀第4四半世紀以降、新古典派経済学が興隆し、現在にいたる主流の経済学となっている。これはリカードが棄却した需要供給理論の復活である。報告では、なぜこのような逆転が生じたのか、その原因を探るとともに、20世紀後半以降のリカード経済学の現状と将来展望についてお話したい。とくに、Shiozawa, Morioka and Taniguchi (2019) Microfoudnations of Evolutionary Economics に結実した現代古典派価値論の意義と、同理論とKurz and Salvadori (1985) Theory of Production: a long-period analysis ?など旧来のSraffa系価値論との異同を明らかにし、新しい価値論が進化経済学やポストケインズ経済学などの基礎理論となりうることを示す。
討論者:田淵太一(同志社大学)

学会等企画

進化経済学会
2019年3月16日(土)午後2コマ 名古屋工業大学
企画セッション「IoT/AI時代の制度構築/来るべき暗黒時代を避けるために」
第1部 基調講演
出口弘(東京工業大学教授)「IoT/AI時代の社会技術複合体の新しい現実とその課題」
藤本隆広(東京大学教授)「良い設計の良い流れのためのデジタルマニュファクチャリングとは」
金子勝(立教大学特任教授・慶応大学名誉教授)「日本の産業衰退が著しい」
第2部 討論
企画趣旨
IoTとAIの時代となり、人間に残された仕事の領域が脅かされている。いちぶの才能ある特権者のみが産業を支配し、他の多くの人々は仕事の場から排除される、あるいは機械の補助的役割しか果たせないような時代を予見する人もいる。こうした暗黒時代を避けるには、われわれはいまなにをしなければならないのか。進化経済学の真価が問われているともいえよう。いま起こりつつあるIoTとAIの革命の時代に、ひとびとが意義ある人生を送ることのできる時代をどう作れるか。その制度設計・制度構築への具体的な示唆を受け、考える場としたい。
塩沢由典 企画・司会

講演

SUREの連続イベント第2回
2019年10月30日(水曜)、開演7時 場所・古書ほうろう(東京大学池之端門前)
今の日本の経済と社会──ジェイン・ジェイコブズから考える
塩沢由典(経済学者)
街を舞台に大胆な行動で、社会改良に向かう諸問題を提起しつづけたジェイン・ジェイコブズ。彼女の思索と展開をめぐって、充実の連続講義『経済に「国」はいらない──ジェイン・ジェイコブズを読む』を刊行した塩沢由典さん。今回は、いま注目が集まるMMT(現代貨幣理論)を踏まえて、ジェイコブズの経済思想をさらにわかりやすくレクチャーしていただきます。進行役は本書担当編集者をつとめた瀧口夕美です。




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