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講演要旨


経営革新はなにを目指すべきか
  ―見通しの効かない時代のナビゲーション―


大阪府立産業開発研究所・顧問懇談会
2002年7月25日




経営革新はなにを目指すべきか

  ―見通しの効かない時代のナビゲーション―

塩 沢 由 典   .

(1)いまはどんな時代か

○明治以降の120年 後追いの時代
司馬遼太郎『坂の上の雲』

○1990年以降(平成以降)トップラナーの時代 追い上げられる時代
一人当たりのGDP 世界一
賃金格差を武器に勝負できない。
最初に踏破する者の前に道はない。

(2)トップを走るもの

18世紀 オランダの時代(1660〜1780) 農業革命
19世紀 イギリスの時代(1780〜1890) 産業革命
20世紀 アメリカの時代(1890〜1990) 電気化学革命・自動車
21世紀 日本の時代?        情報革命? ナノ? バイオ?

(3)日本の過剰適応

○戦後の日本的経営(終身雇用、年功賃金・序列制、企業内組合・労使協調)
その反面・・・会社人間、人並み扱い、事なかれ主義

○輸入性向
官僚 先例主義⇒外国に求める
企業 ものまね、横にらみ
大学 輸入学問

○独創的な個人を活躍させない社会
頭のよい人(頭の速いひとか、強いひとか)
A.アインシュタイン 中村修司(徳島大学>日亜化学>カリフォルニア大)
親 いい大学からいい企業へ 一流企業は、衰退期?

(4)経営の革新・社会の革新

○個人の力の評価
仕事ができるひと 任せてみる。責任。

○抜擢・帝王教育 2世のみに可能だった。
会社存続のためには、優秀な後継者が必要。

○ベンチャー
政策的要請 資金過剰経済 実力を測りやすい。

○社会・文化・哲学を変える。

(5)複雑系経済学

複雑系 世界同時多発 新しい科学観
複雑系経済学 全体像を唱えているひとは他にいない。
最大化する経済人(新古典派の基礎的仮定)を否定
定型行動のレパートリーと進化
多数の経済主体の相互作用⇒従来の数学解析に載らない。
マルチ・エージェント・モデル(第3の科学研究法)

(6)創造都市研究科

新しい人材育成像 イノベーション・リーダの輩出を通して関西経済を再活性化させる。
教育方法の革新  各研究分野ごとに、その道の第1人者を招待・講演
学 問 装 置  社会に分散して存在する知識を集中・体系化する。



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