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イグザミナ Book欄


関西経済論 原理と議題

「関西」を論じる経済学者は少なくないが、著者のように「関西経済」を論じることができる学者は、実はあまりいない。「複雑系」ブームで一段とその名を知られることになった著者だか、関西経済のシンポジウムや研究会では、長年にわたって刺激的な発表を続けている論客だ。

シリーズ「関西の創造」の第三巻で、六〇〇ページ近い大著。ロボット産業から道州制まで話題は多岐にわたるが、本書の特徴は副題にある「原理」についても論じている点。考える枠組みそのものが地域経済を扱えようになっていないという指摘だろう。また、関西は独自の議題設定能力が必要だとも著者は説く。

今後、関西経済について論じるとき、意見が同じかどうかは別にして、少なくとも本書で提示された原理、各論は踏まえておく必要があるだろう。




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