実験哲学カフェ>マルク・ソテーと哲学カフェ

マルク・ソテーと哲学カフェ

哲学カフェは、フランスの哲学者マルク・ソテーが始めて有名にしました。

パリのバスティーユ広場に面したカフェで毎日曜日、おおくの人があつまり、人生の問題・世界の問題をめぐって熱い討論を繰り広げました。

哲学カフェは、ソテー以前にもあったといわれますが、それがひとつの運動として広がったのはソテーのカフェのお陰でした。一時期、フランス各地で100もの哲学カフェが活動し、ドイツなどにも広がったといいます。

マルク・ソテー

「マルク・ソーテ」と書く人もいるが、ページ作成者の趣味で「ソテー」と書かせてください。

「日常生活に役立たない哲学は意味がない」と考えたソテーは、1992年、パリ政治学院(Ecole politique、パリ大学の一部をなすが選抜試験を課すエリート学部)の哲学教授の地位を捨て、「哲学相談所」を開くとともに、パリ・バスティーユのカフェで哲学を話し合う会を始めました。「安楽死は必要か」、「暴力とは何か」、「生に意味はあるのか」。こうした問題をテーマに最盛期には毎日曜日150人もが集まり、マイクを握って話し合ったといいいます。

ソテーは、1998年3月に急死し、哲学カフェの運動は、現在はフランスでも下火になっているといわれています。

ソテーの本が二冊翻訳されています。『ソクラテスのカフェ』は、なにを考えながら哲学カフェをはじめ、続けていたかが書かれています。『ソクラテスのカフェU』は、ソテーの哲学観を哲学史的に述べたもので、哲学カフェにはあまり関係ありません。

以下は、二冊の本の出版社による紹介です。

ソクラテスのカフェ

「日常生活に役立たない哲学は意味がない」という著者が,パリのカフェで毎週日曜日,一般の人々と哲学ディスカッションの会を始めたのは,1992年のこと。以来,人は増え続け,今では毎会150人が集まるほか,同様の活動をするカフェはフランス国内で100に及ぶようになった。果たして哲学は本当に力を持ちうるのか? 現代社会での哲学者の冒険を生き生きと伝える。
1 ある日曜日、バスチーユ広場で
2 カフェでの哲学
3 街角の哲学者
4 哲学の冒険
5「哲学相談所」
6 相談の現場で
7 相談者たち―人生を癒す哲学
8 グループでの哲学診断
9 真正さについてのセミナー
10 旅へ

この本を読んだ人の感想:
hornblowerさん「時々、哲学者のふりをする」

『ソクラテスのカフェU』

『ソクラテスのカフェ』の続編となる本書では,ガリレオからコペルニクス,マルクスなどを挙げながら思想史を問いなおす一方,現代をギリシャ時代の反復とみなし,おもな哲学者に再考を加えつつ,哲学の重要性を訴える。社会の困難を前にして,哲学にいったい何ができるのか? 1998年3月,急死した著者の遺作ともいうべき本。


第1部 私たちは何処からきたのか?
思想の敗北?
啓蒙思想
地動説革命
商業革命
ほか
第2部 私たちは何処へいくのか?
利潤の法則の勝利?
デモスの誕生
ロゴスの誕生
ソフォクレスの明晰さ
ほか
いま哲学に何ができるのか?
パリで話題の≪哲学カフェ≫の主催者が問いなおす西欧哲学と近代史
解説・鷲田清一


もどる

ホームページへ  ページ・トップへ