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一人だけの運動
2015年9月19日、自由民主党と公明党は、参議院議員でも強行採決をおこない、安倍首相も唱えていた熟議の民主主義を踏みにじりました。強行採決などせず、5連休を利用して討論を行なえば、一日8時間としても、40時間の時間をとることができます。また、今国会で廃案にするのでなく、継続審議の手続きを取れば、さらに多くの討論時間が取れたはずです。
さらに時間をとって審議すれば、安保法案の問題点がしだいに明らかになり、答弁を維持できないと考えたからでしょうか。連休前に法案を通してしまえば、休みの間に国民は安保法制のことなど忘れてしまう。そういう舐めた考えなのでしょう。
わたしは法案が成立するまで、なにも声を上げず、でもにも参加しませんでした。しかし、これからが本当の民主主義が問われます。そこでできることから、はじめることにしました。たったひとりで、近くの駅前に立つ。A4裏表2枚に主張を書き込んで、透明ファイルにはさみ、それをすこし高く持って立つだけです。
これはデモでも集会でもありません。通行人の一人として、ただ立つだけです。ですから、届出も要りません。だれでもどこでもできる運動です。とくに呼びかけているわけではありませんが、同じ運動の輪が広がることを願っています。
- 第1回 2015年9月19日 自由が丘駅周辺 16:20〜18:20
正面出口 16:20〜17:20 南口 17:25〜18:25
訴えの文章1
ばしめての「独り立ち」。最初はどうなるか、すこしどきどきました。しかし、現代は無関心の時代。ほとんどの人は、掲げているファイルを見もせず、通り過ぎます。文面を読んで理解しようとするのは、20人に一人ぐらいでしょうか。
それでも、2時間で2000人近い人が通りすぎているでしょうから、100人ぐらいには、メッセージが届いたはずです。
今日は、4人(組)の人の反応がありました。
- 「署名をやっているのですか」とたずねてくれた女性(たぶん夫婦連れ)
- ファイルを見て「その通りね」と言っていた老婦人の二人連れ
- 他所見をしていたら、手で触って振り向かせて、拍手をしてくれた男性
- 「集会でもあるのですか」と聞いてくれた女性。こちらは夫婦ずれ。いちど通り過ぎて、遠くで確かめてから、もういちど近づいて聞いてくれた。
- 第2回 2015年9月21日 自由が丘駅周辺 17:20〜19:00
正面出口 17:20〜18:20 南口 18:25〜19:00
訴えの文章1
- 50歳代女性
-「なにをやっているのですか。」「中国の進出をどうするの」「結局、中国を支持するんだ」
- 50歳台女性
-「毎日、立っているのですか」
-「いえ、まだ二日目です。」
-「明日、日比谷で大きな集会があります。」
- 60歳台男性
5〜6先から、親指を上に上げて、いわゆる「いいね!」をしてくれた。
- 70歳台男性
「どうして民主主義が死んだというのですか」「強行採決というけれど、何党が賛成していると思うか。多数の政党が賛成している。」 60歳台男性
「どこかで集会が/bあるのですか」「わたしもできることを考えてみます。」
- 20歳代韓国人男性
「気持ちは良く分かります。わたしは韓国人ですが、韓国も(いちど)民主主義が死んだから」といって、ミネラル・ウォータ(いろはす)を一本差し入れてくれた。
- 60歳台男性
「なにか活動されているのてすか」「"民主主義は死んだ、そして民主主義は生まれた"とツイッターに書いた。国会で民主主義は死んだけれど、新しい民主主義が生まれた。国会前の集会に行ったけれど、みんな明るくて、新しい動きです。」
第3回 2015年9月22日 自由が丘駅周辺 17:20〜19:00
正面出口 17:20〜18:20 南口 18:25〜19:00
訴えの文章1 図らずも、昨日とおなじ時間帯に
- 30歳代女性
「写真を撮ってもいいですか。」と聞いてから、携帯電話で写真を撮っていった。
- 旧知の斉藤さんから、メール。
-このホームページで「ひとりだけの運動」を知り、自分でもなにかできることをと考えたとのこと。
-これが実現すれば、昨日の60歳代の男性と合わせて、二人の人が新たに運動をはじめることに
- 妻の観察
-もう人々は冷めてきている。
- 私見
昨日とおなじ時間帯に同じ時間立っていたのに、今日は「写真」の女性を除いて話かけてきたひとは0。これはなにを意味しているのか。人々はすでに忘れ゛足しているのだろうか。
第4回 2015年9月23日 自由が丘駅周辺 16:50〜19:00 中断30分
正面出口 16:50〜17:50 南口 18:20〜18:50
訴えの文章1 すこしはやめから始めてみました。代わりに、途中で30分休憩。
- 60歳代男性
「異議なし」「(民主主義が死んだ日というより)殺した日ですかね」
- 声のない反応
50歳代女性が二人(別々に)、読んでからうなづいてくれました。
80歳代女性、呼んでいか一瞬意味が分からないという風でしたが、すぐに分かったようでニコリと笑ってくれました。
第5回 2015年10月4日 自由が丘駅正面出口 16:30〜18:00
訴えの文章2 変えました。文面がちょっと難しかったかもしれません。すこし立ち止まったりして読む人が20人ぐらいはいました。
- 70歳代男性
岩崎さんと名乗る方。訴えを読んで「ほんとにそうだ」と同意してくれ、激励されました。ご自身は、緑ヶ丘公民館で、もう30年以上も講師を呼んで勉強会を開いているそうです。会合は第1・第3木曜日とか。わたしも勧誘されました。
第6回 2015年10月25日 自由が丘駅周辺 16:00〜18:10
訴えの文章2 正面出口 16:00〜17:00 南口 17:10〜18:10
- 60歳代女性
たちどまって「解釈改憲は法治国家の否定です」の文言を読んで、そうだすねというように頭を振ってくれました。
- 50歳代男性
「憲法9条にノーベル平和賞を」という運動をされている平地道雄さんが「ご苦労さまです」と声を掛けてくれました。名刺をいただき、「浜地と九条で検索してください」というので引いてみたら、「憲法九条にノーベル平和賞を 浜地道雄」というページが表れました。
浜地さんは、商社に勤めていられて、長く中近東に滞在されていたことがあるそうです。「戦争で平和はもたらせない」ことをつくづく思い知らされたそうです。
- 40代男性
かばんに付けていた「アベ政治を許さない」というワッペンを見せて、「がんばって」とはげましてくれました。
- 雑感1
正面では隣で「あしなが学生募金」を集めていました。4時から5時までの間で、寄付をしてくれた人の数は15人、うち千円冊など紙幣をだしていた人が半数程度でした。わたしも千円だけ寄付しましたが、これは上の15人に入れてありません。
- 雑感2
今日は天気は快晴で空の色も美しい水色でしたが、5時ごろから風も強く、真冬並みの気温になりました。これからは寒さ泰作が必要です。
第7回 2015年11月28日 自由が丘駅周辺 15:40〜17:45
訴えの文章2 正面出口 15:40〜16:40 南口 16:450〜17:45
- 私ごと
11月は、同窓会・大阪行き・学会などで忙しかったうえ、第4回目のぎっくり腰で動けなかったりで、最終土曜日に一度だけとなりました。自慢ではありませんが、ぎっくり腰はもうベテランです。最近ちょっと油断していたのが原因です。
- 68歳男性
田園調布のお住まいの68歳という男性が「その通りです」と声を掛けてくれました。この方は、家事の難問でうつ病になり、そのリハビリを兼ねてあちこち散歩されているそうです。今日も1万6千歩も歩いたとスマートフォンを見せてくれました。
この方の友達という方が政治に詳しいそうで、政治に関する意見はみなその方の受け売りだそうですが、昭和天皇は日本を救ってくれたことがある反面、日本の現状を作ってしまったことに責任がある、とのことでした。この方とは、約20分も話していました。
- 50代女性
訴えの文章を見て、黙ってそうですねと挨拶してくれました。ひょっとしたら、2度目の方かもしれません。
- 50代男性
わざわざコートを開けて、ピース・マーク入りのTシャツ(?)を見せてくれました。
- 80代夫婦
最初にご主人が気づかれ、あとで奥様にも、あれを見よと指示されていました。
第8回 2015年12月31日 自由が丘駅周辺 15:40〜17:45
訴えの文章2 正面出口 15:40〜16:10 マリー・クレール通り(東急前角) 16:15〜17:45
12月は、来年の足音を聞きながらの泥縄でした。立ち時間も、総計で1時間の簡略版でした。毎月1回というノルマも、守るのはなかなか大変なことです。
今回は、話かけてくれた人はいませんでした。
- 50歳代女性2人
別別にですが、自転車を降りて主張を見て行ってくれた女性が二人いました。
- 60歳代男性
奥さんと二人で、子ども夫婦をまっていたようですが、わざわざ眼鏡を外して読んでくれました。
- 40歳代女性
前を通り過ぎるとき、頭を下げて挨拶してくれました。
- 観光客?
観光客なのか、近くに住んでいるのか、中国語で声を出して読み上げた人がいます。カナ交じりの日本語で、意味が分かったのでしょうか。もの珍しさだけで、読んでみたのでしょうか。
第9回 2016年2月26日(金) 自由が丘駅周辺 16:30〜18:40
訴えの文章3 正面出口 16:30〜17:30 南口 17:40〜18:40
- 1月はついに「独り立ち」できず。かわりに2月は2回と思っていたのに、やはり1回で終わってしまった。
- 週日の夕方に立っていましたが、学生風のわかものが意外に少ないことに気づきました。
- 訴えの文章を変えてみました。サンタース旋風にあやかってというところですが、ぞれくらい人が気づいてくれるものか。声を掛けてくれるひとはいませんでした。
第10回 2016年3月2日(日) 自由が丘駅周辺 16:30〜18:40
訴えの文章3
今日は、南口正面のみにしました。正面の方は、ほかの呼びかけも多く、注目度が小さいようです。
- 久しぶりの暖かい日曜日。はじめたときの九品仏緑道は、コブシの花も咲き、真ん中のべンチにも、カフェの店先にも人がいっぱいでした。
- 30代・アメリカ人(?)女性
バギーに子どもを載せていたアメリカ人風の女性が、「9月19日ってなに」と日本語で声を掛けてくれました。去年、安保関連法案が強硬採決された日ですと応えると、「あそう、よろしく」といって改札口に向いました。たぶん「がっんばって」という意味でしょう。
第11回 2016年5月30日(日) 自由が丘駅南口 16:400〜18:45 コヒーブレイク5分
訴えの文章3
- 毎月1回と決めているのに、毎月なんだかんだと用事ができて、なかなか月一の約束も果たせません。4月は跳ばしたのに、5月も最後の日曜日となってしまい、無理して出かけました。
- 今日は、マリー・クレール祭りの当日で、東急南口側は大変な人だかりでした。どのように知るのか、遠くから来ている親子、夫婦、友達らしい人もたくさんいました。中国人らしきグループも何人もみました。
- 暖かくなって、ぼんやりたっていると眠くなります。コーヒーブレークを作って、緑道に廃車をおいたコヒー屋さんでエスプッソ・ダブルを飲んで目を覚ましました。
- とくに話しかけてくる人はいませんでしたが、これから焼肉を食べに行くという一団の中のひとりの男性が、訴えの文章をみて、大きくうなづいてくれました。
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