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ジェイン・ジェイコブズの著作と解説

ジェイン・ジェイコブズのおもな著作

  • The death and life of great American cities, Vintage Books, 1961.
    『アメリカ大都市の死と生』 黒川紀章訳(抄訳、鹿島出版会、1969→同:SD選書、1977)
    『アメリカ大都市の死と生』山形浩生訳(全訳、鹿島出版会、2010)

    ジェイン・ジェイコブズの処女作だが、20世紀の都市思想を転換させる原動力にもなった。ジェイコブズの批判の対象にあがったひとつが、ハワードなどに代表される「田園都市」思想であった。田園都市の考えは、日本にも共鳴者を生み出し、その具体的な実現が田園調布であった。田園構想は、職住分離と豊な自然を鍵概念としていたが、それは都市の創造性を奪いかねないものであった。

    田園調布のすく隣にある自由が丘は、名前が示すとおりの自由な(いかえれば野放図な)発展をとげ、都市としては田園調布よりははるかにおもしろい町となった。

    2015年のジェイン・ジェイコブズ・デイ@自由が丘では、田園調布から出発し、自由が丘が終着点です。ジェイゴブズの思想を目の前で比較できるとても興味ぶかいコースになります。

  • The economy of cities, Random House, 1969.
    『都市の原理』 中江利忠・加賀谷洋一訳 (鹿島出版会、1971→新版 SD選書、2011)

  • The question of separatism: Quebec and the struggle over sovereignty, Random House, 1981.

    新しい仕事が都市の中でどのように生まれてくるのか、いつくつもの例を引いて議論しています。フィラデルフィアもニューヨークも大きな町ですが、ある電気機械を試作するのに必要な部品を買い集めるのに、ニューヨークでは1日、フィラデルフィアでは1週間かかるといった、普通には思いつかない例が挙げられています。

  • Cities and the wealth of nations: principles of economic life, Random House, 1984.
    『都市の経済学−発展と衰退のダイナミクス』 中村達也・谷口文子訳(TBSブリタニカ 1986)。
    『発展する地域 衰退する地域/地域が自立するための経済学』中村達也訳(改訳)、ちくま学芸文庫、2012、解説:片山善博、塩沢由典。

    アダム・スミス以前から、経済学は発展の単位を国であるとし、それを疑うひとはほとんどいなかった。ジェイコブズは、そもそもこの点から経済学は道を誤ってしまったと指摘し、都市こそが経済発展の単位であり、この単位を分析することからしか、経済の発展を正しく分析することはできないと説く。ジェイコブズは経済学のアマチュア(素人思索家)に過ぎないが、この思想はいちぶ経済学者にも強い反省を生み出している。

  • The girl on the hat, Oxford University Press, 1989.

  • Systems of survival: a dialogue on the moral foundations of commerce and politics, Random House, 1992.
    『市場の倫理 統治の倫理』香西泰訳(日本経済新聞社、1998→日経ビジネス人文庫、2003)

  • The nature of economies, Random House Canada, 2000.
    『経済の本質−自然から学ぶ』香西泰・植木直子訳(日本経済新聞社、2001)

  • Dark age ahead, Random House, 2004.
    『壊れゆくアメリカ』中谷和男訳(日経BP社、2006)



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