毎日新聞 2001年1月22日9面
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学問の立場で支援
「関西ベンチャー学会」
大阪市に事務局
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顔写真/塩沢由典大阪市大教授
[本文]
<<経済活性化目指し発足>>
ベンチャー企業振興による地域の活性化研究など学問的な立場からベンチャー支援にかかわる「関西ベンチャー学会」が発足することになった。会長には大阪市立大学経済学部の塩沢由典教授が就任する。大阪市が今月29日、ベンチャー企業の支援拠点として開設する「大阪産業創造館」(大阪市中央区)内に事務局を置き、他の創業支援機関と協力して関西経済の活性化に向けた提言活動などを行っていく計画だ。
来月12日、同館で設立総会を開き、正式に発足する運び。
活動の柱はベンチャー企業研究のほか、起業家支援政策や産学協同のあり方の提言、創業まもない起業家の支援や助言など。「女性ベンチャー」「高齢者・福祉ビジネス」などの分科会を設け、今後、関西でも飛躍が期待される人材や事業の育成にも積極的にかかわっていく。
既に活動を始めている「日本ベンチャー学会」(会長、清成忠男法政大学総長)との協力も視野にいれているが、独自色を発揮するため、関西のベンチャー企業研究、関西の地域経済の活性化をメーンテーマに据える。
塩沢教授らと研究者と協力して学会設立の準備作業を進めてきた中小企業向けコンサルタント会社「エフアンドエム」(大阪市吹田市、森中一郎社長)の小林裕明取締役が事務局長に就任。大学の研究者を中心に500人から750人の会員を集め、同学会をベンチャー企業研究の一大拠点としたい考えだ。
[田畑悦郎]